ジビエ【GIBIER】って知っていますか?

ジビエとは・・

狩猟の対象となり、食用とする野生の鳥獣。また、その肉のこと。

ヨーロッパでは狩猟ができる上流階級の貴族しか口にできなかったほど貴重で、高級食材として慣れ親しまれていました。
日本でも10年ほど前から徐々にその文化は取り入れられていたようです。
ここ最近は街中や電車にジビエフェアなどの広告が貼り出され、ジビエという言葉を聞く機会も多くなったように思います。

なぜ今ジビエブームなのか

年間約200億円の農作被害がでている現状

日本では野生鳥獣による被害が深刻化しつつあり、農作物被害額は毎年200億円前後で推移し、農林業に大きなダメージを与えています。
そのためシカ等の増えすぎた個体数を減らすことに国や自治体は力を入れ、猟友会等に年間何頭という形で捕獲を依頼するなどしています。
ジビエ分化が広がりを見せている大きな理由の一つに、捕獲で得られたシカやイノシシ等をできるだけ無駄なく使おうという狩猟者さんたちの想いがあるようです。

全体の7割がシカ、イノシシ、サルによる被害です。
水産被害としては、河川・湖沼でのカワウによるアユ等の捕食、
海面(北海道等)ではトドによる漁具の破損等が深刻化しています。

また、その他の被害としては、車両との衝突事故、家屋の糞尿被害、住宅地への侵入などがあります。

鳥獣被害は営農意欲の減退、耕作放棄・離農の増加にもつながるため、
被害額として数字に表れる以上に農山漁村に深刻な影響を及ぼしていると言えます。
(一部農林水産省より引用)

鳥獣被害の対策

大きくわけて2つの対策があります。
田畑等への侵入を防ぐ対策と、被害の減少を図るために行う捕獲対策です。

捕獲対策の一つに狩猟があります。
狩猟がどんなものなのか知るために、今回は現役のハンターさんを
お一人紹介したいと思います。

北海道むかわ町の有害鳥獣駆除委嘱ハンター 本川 哲代さん。
2011年に猟銃免許を取得し、38歳からハンターの道へ。

現役で猟師さんをされている本川さんは、野生鳥獣に対して真剣に向き合い、敬意を払っています。

狩るならば一発で仕留めろ。苦しませるな。それができない者は狩りをするなと。
農林業被害を抑えるためにエゾシカの有害駆除はしなくてはいけない。
だから有効利用として肉をおいしくいただく。
食べることで、山の命の循環に加わっていると考え、
お肉を無駄なく食べるために人の食べない部分も犬や猫のペットフード用として販売するそうです。

エゾシカ肉を使う料理教室や、講演も行い、家庭でおいしく食べてもらうための活動を
続けて行きたい。
ジビエ料理が際物とならぬよう、ジビエ料理を食べる側にも、
なぜ今この料理が目の前にあるのか、をまず考えてほしいと言います。
本川哲代さんのFacebook

<侵入対策‐隠岐の島では>
隠岐の島ではカラスの被害が多く、ゴミを荒らすのはもちろん、
農作物も食べてしまうし、時には生まれたばかりの豚もさらって行ってしまいます。
それに対する対策として、漁師さんが使わなくなった魚用の網を再利用しているそうです。
なので、隠岐の島へいくと、あちこちで魚用の網を使ったカラス除けを目にします。

<狩猟対象害獣>


現在日本に生息する野生鳥獣は約700種ですが、狩猟対象害獣として指定されているのは48種です。
狩猟対象としての価値、農林水産業等に対する害性及び狩猟の対象とすることによる鳥獣の生息状況への影響を考慮し、選定しているためです。
獣類(20種類)
タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、テン(ツシマテンを除く。)、イタチ(雄)、チョウセンイタチ(雄)、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、ハクビシン、イノシシ、ニホンジカ、タイワンリス、シマリス、ヌ-トリア、ユキウサギ、ノウサギ


ニホンジカ

ヌートリア

ハクビシン


鳥類(28種類)
カワウ、ゴイサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、ヤマドリ(コシジロヤマドリを除く。)、キジ、コジュケイ、バン、ヤマシギ、タシギ、キジバト、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス


カワウ

ゴイサギ

キジ


狩猟鳥獣については、都道府県によっては捕獲が禁止されている他、捕獲数が制限されている場合があります。狩猟をする際には登録都道府県にご確認下さい。(狩猟対象害獣一覧は環境省HPより)

例えば高知県内においては、キジとヤマドリのメス、ツキノワグマについては狩猟が禁止(規制)されています。


狩猟を行うには

狩猟を行うためには、猟法に応じた狩猟免許を取得することが必要です。
狩猟免許 の種類には網猟免許、わな猟免許、第一種銃猟免許、第二種銃猟免許があります。

狩猟免許試験の流れは【知識試験】→【適性試験】→【技能試験】となります。
※高知県猟友会では、試験のための事前講習会を開催しています。

狩猟免許試験は、居住している地域を管轄する都道府県知事が実施し、試験に合格して取得した免許は、全国で有効です。
ただし、狩猟をしようとする場合はその地域 を管轄する都道府県に狩猟者登録をする必要があり、免許の有効期間は3年間で、3年ごとに更新が必要になります。

害獣駆除の報奨金について

また、狩猟で得た野生鳥獣は害獣駆除という名目で市区町村や国から報奨金がでる場合もあります。
自治体により細かく規定が異なります。また、市町村によっては罠購入等の一部補助金がでる地域もあるようです。

ちなみに高知県土佐町(2018年1月30日現在)の害獣駆除報奨金は
イノシシ・鹿: 10000円
ニホンザル : 20000円
ハクビシン:  4000円
ウサギ・カラス・鳩・狸:2000円
これに追加で国からの報奨金: イノシシ・鹿に関しては8000円、子供1000円
現時点での報奨金ですので変更することもあります。更に隣の市町村ではまた金額が異なります。
獣害駆除期間(3/16~11/14)の期間での駆除が認められていて、前もっての獣害駆除申請を行い許可を受けた場合に限り報奨金の申請が可能です。

狩猟期間

日本で狩猟解禁されるのは11月15日から2月15日までの期間です。
象狩猟鳥獣や都道府県によっては、猟期を延長又は短縮している場合があるため、登録都道府県にご確認下さい。
※害獣駆除期間とはまた別です。

ジビエ料理

狩猟で得た肉を食べるとなると、パッと頭に浮かぶのは、やはりイノシシ鍋(ボタン鍋)あたりでしょうか?
ですが、基本的には狩猟害獣に指定された動物は全てジビエとして定義されるため、
普段口にしないような食べ物も多くあり、フランスでは狩猟禁止とされているヌートリアやハクビシンといった珍しい動物さえも料理されることがあります。

少し前までは、イノシシやシカなどの野生鳥獣は臭みが強い、固い、あまりおいしくないというイメージがあったかもしれません。
獲物を仕留めてから、どれほど素早く血抜き・解体できるかで、臭みのないおいしい肉にできるのかがかかっているそうなんですが、
最近では、狩猟者がその技術を身につけていたりすることもあるようで、ひと昔まえとは随分とその味は変わってきているようです。

美味しさもまたブームの理由の一つなんですね。
野生の鳥獣は冬に備えて体に栄養を蓄えることから、秋がジビエの旬と言われています。


ジビエのおいしい料理方法募集


シカ肉

全国各地でジビエ料理のレシピを募集している所が増えてきました。
ジビエと検索すればネット通販でも簡単に購入することが可能です。

おむすびーずにゆかりのある高知県でも鹿肉のおいしい料理方法をホームページで募集しています。
集まった鹿料理レシピの情報も載っていますので、ご覧になってくださいね。
詳しくはこちら高知県ホームページ


まとめ


今ジビエがブームを迎えていますが、減少していると言われる猟師もまた注目を集めてきています。
野生鳥獣の被害が深刻化してきたことによる環境の変化に応じた自然な流れともいえるでしょう。

しかし一方で害獣駆除というものの害獣と言わざるを得ないバランスにさせたのは人でもあり、被害対策での狩猟や捕獲でその種を絶滅させてしまったことがあることも忘れてはいけないのかもしれません。

視点を変えれば様々な見方ができますが、深刻な被害を受ける側から見ればやはり増えすぎた野生鳥獣は困りものです。
どうするべきかは人それぞれ意見が違うものですからとても難しい問題です。

狩猟者の、そのほとんどの方は熱い信条を持っていて、食に対する感謝もとても大きいものだと感じます。
生き物を食らうことの意味を知っているのでしょうね。

増えすぎた害獣といっても命のある生き物ですから、ただ捕獲し処分するのではなく、
皮も肉も骨も、できるだけ無駄にしないでおこうと始まったジビエ文化。
これからもっと身近に定着し、広がっていくのではないでしょうか。


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