はじめに


「林業」と聞くとまず、
大木をチェーンソーで伐る人を思い浮かべます。
しかし当然ながら、伐るばかりだと木がなくなってしまいますよね。

林業では、植林や下刈り、間伐などによる山の整備・保全も大切な仕事です。

日本は国土面積の70%が森林です。


日本に住むうえで、山や森林との共存は大きなテーマであり、
近くになくとも、私たちはその恩恵を受けて暮らしているのです。そういう意味でも林業は、その恩恵の部分と深く関係している仕事といえます。


林業は私たちの生活と密接に関わっている


林業と水・災害・獣害


林業の仕事を簡単にまとめると
・伐採 木材として利用するために木を伐り倒します
・集材 伐った木材を市場用に便利な場所まで集めます
・地ごしらえ 伐採後の枝葉や残木を取り除く作業です
・植え付け 苗木を一定の間隔で植えます
・下刈り 雑草が苗木の生育を妨げないよう刈る、夏の間の作業です
・除伐 育成した木の成長を妨げる雑木などを伐る作業です 
・枝打ち 上質な木を育てるために下枝を切り落とします
・間伐 樹木が成長し混み合った木を間引きします

これらの作業が「林業」でひとくくりとなっているのです。

水源を守る
健全な森の土壌は有機物やさまざまな生物によって雨水の浸透率が高く、水分をたくわえてゆっくり河川に流すことができます。また水質を浄化する効果もあるとされています。

土砂災害の防止
森の地中にはりめぐらされた樹木の根は、土壌を斜面につなぎとめる能力があります。
また表面を覆う落ち葉や枝、雑草などによって土砂の流出を防ぎます。

動物との共存
間伐などで森の光環境を改善することによって、小動物のエサとなる木が増え町まで降りてこなくなるのでは?という意見もあります。すでに個体数が増えすぎている場合は問題が変わってきますが、それらの対応と並行して必要な作業ではないかと感じます。

林業を仕事にするためには?

資格は必要?


チェーンソー・刈払機・小型車両系建設機械運転業務(※1)の講習受講が必要


自宅敷地内での使用には必要ありませんが、それを業とする場合は取得必須となります。
これらはいわゆる資格試験とは違って【特別教育】というくくりになっており、座学・実習含め規定の時間数を受講し、修了証が交付されます(※2)
※1 整地・運搬・積込み用及び掘削用ミニショベル等 
※2 これらの講習は都会なら教習所、地方は森林組合などの団体で実施されています
もちろん働き先によっては、仕事を覚えながら資格を取得させてくれる場合もあります。

普通自動車運転免許も必須です。
最近は軽トラックのAT車もありますが、山の傾斜対応としてマニュアル免許の取得を求められることも多いです。

受講料無料の資格取得可能な国からのサポートもあります!※林業就業支援講習20日間コース
 詳しくはこちら➡林業就業支援ナビ

どんな働き方があるの?

森林組合などの団体に所属
山林の所有者などからの委託を受け、山の管理をする。
構造は一般の会社に近く、事務などの仕事もあり。現場作業員は月給のところもあるが、日給月給・出来高制が多い。
※未経験からでも可能な求人も多い

地域おこし協力隊に応募
各自治体が募集している林業関係の地域おこし協力隊で働く。
任期は3年間と限られているが、寮や住宅手当、週休3日などのところもあり、この期間で林業への足掛かりを作れる。
※他地域からの移住が要件であることが多い

自伐型林業
低コストで林業に参入できると近年注目を集めているスタイル。自身の所有する山林または固定された範囲の山林を間伐・伐採・植林で整備する。兼業型として他の産業との連動にも期待されている。
※個人ではじめる場合未経験からでは難しい

上記以外にも民間の林業事業体に就職、現場以外での森との関わり方として第3セクターで働くという選択肢、またアルバイトとして植林のみ、間伐のみ、夏の間だけ下刈りのアルバイトなどや週末自伐型という働き方もあります。


木の種類を学ぶ

森林組合で講習中


架線で木を搬出中

年輪のお勉強


間伐した木材の搬出(研修中)


収入は?


地域おこし協力隊は月給(だいたい14万~16万程度)、自伐型は自分の裁量となるため、森林組合での現場労働者を例にしてみます。

まず日給月給とは…日給×働いた日数がそのまま月の収入になることです。
現場仕事では多く使われる給与計算方法です。
そう、悪天候の日は仕事がお休みになるため、このような方法にしているのですね。つまり、天候が収入を左右します。

2014年度の統計では
日給7,000円~13,000円が67%
また、熟練度によって日給15,000円以上の方が全体の13%も!?そうなると将来的には安泰な気も。
ちなみに日給と聞くと社会保険は?と不安になりますが、近年は社会保険加入の団体が急速に増えてきているので、自身の事情と合わせて待遇もきちんと確認しましょう。
春~秋は農業、冬場だけ林業アルバイトの組み合わせも地方では多いです。

ただ、伐採した材木を売却しただけの売上では実際のところ赤字にしかならないと言われている林業業界です。
今林業の事業体は国からの補助金なくしては立ち行かない側面があります。間伐・下刈り・植え付けといういかにも「林業」という作業全てに森林整備資金制度という作業経費負担の補助金が存在します。
これらは、森林組合に事業を委託でも、個人でも申請可能です。

つまり、自分で山林を保有している自伐林家さんなどは自分の山の手入れをする経費を補填してもらえることとなるわけです。そこはやはり森林の整備には公的な意味合いが強いことの表れでしょう。


まずは林業を知ってみよう、そのためには?


いきなり就業ではなく、自分に出来るのか考えてみたい…そんな方には、相談会・林業体験・林業実習プログラムが日帰り~長中期で用意されています。

・相談会・フェアに参加 森林の仕事ガイダンスなど
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さいごに林業の魅力とは?現場から聞いてきました!


※過去のインタビューからの抜粋です

■Kさん
林業は、国や自治体からの補助金なしでは成り立たっておらず、現状では産業とは呼べないような側面もあります。その反面、木材の売り先の開拓や技術の研鑽などにより、補助金なしでも成り立っている林家が現実にあることからも仕事としての可能性を感じるし、自分が関わることにより、社会的な問題となっている森林整備の停滞に一石を投じることができ、それが収入につながるという事実が魅力といえるかもしれないですね。
それに加え、山で身体を動かして働くという喜びは、何にも代えがたいものがあります。
そういうすべての点が、山林を所有することにより一層面白味がますと考えています。

■Hさん
山を手放したいと思っている人が多いので自分の山が手に入るかもしれません。
そうなれば、作業の日程から段取り、作業の方法、ペースを自分で決められるので(山があれば経営ができる)、技術があれば多分儲かります。(儲かる山を選ぶ技術や機械の操作技術などはもちろん必要です。)
若手の林業仲間が多いことも仕事を楽しくしています。

■Mさん(林業体験ツアー参加後、自伐林家を目指し奮闘中、岡山へ移住し山も購入)
自伐でやれば自分で仕事の調整ができるのは大きいと思います。
また、環境に貢献することもできるし、自然の中で仕事をすることは心身にもよいと感じます。
自分が理想とする山を作っていけるやりがいのある仕事だと思います。

まとめ


木工で6次産業化という選択肢もあり

いろいろ書きましたが、結局新規で林業に従事されている方それぞれ皆、楽しそうだったのがとても印象的でした。
もちろん、ずっと林業で働かれている方も。

林業では多くの補助金制度が存在し、それが林業の衰退を招いているとの指摘もありますが…、逆に今が林業にチャレンジするチャンス!ではないでしょうか。


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